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ひと区切りの行方のひと区切り
この話、簡単に言ってしまえば

10月の三連休タイミングよく休めたので思い立ち
次に来る仕事の雰囲気作りのために寝台特急に乗るぞ
と出かけたものの、ろくに調べもせずに家を出たから
迷った挙げ句に飛行機の往復券を買ってしまい
一泊するのに苦労したけれど、
写真展が見られて
寿司屋で呑んで喰って、
塩ラーメン喰えて
帰りました。
良かったです。

以上。
という話なのだ。
なのだが
羽田「国際」空港、ふっかつ!
な頃には、大団円を迎えて話も着地する予定だったのだな。

復活してしまったじゃない。

途中、
「カシオペアは全席ツインだったはずだから、それは北斗星ではないか?」とか
「昼の12時台だったらJALを使えばすぐに乗れたのではないか?」とか
指摘を受けて、なるほど準備不足で無知な旅だったぞと。
ならば、せめて国際線ターミナル開設の日に開設前の写真を載せて

「その日僕の乗ったモノレールは、まだ開設前だった羽田国際線ターミナル駅前を
ゆっくりと滑り抜け、家路に着いたのだった…おわり」


fl1010220.jpg

と爽やかに終わるはずだったのに、

開設しちゃったじゃない。

時間をかけてじっくりやるのは大事だが
終わるタイミングをスマートに計算するのは、もっと大事だ。

終わらないじゃない(涙)
従いまして、函館行の顛末は今後
こちらの追記に付け足してゆき、ます。こっそりと。

………………………………………

ショコラに戻ると室内の湿度が少し高く感じた。
酒を飲んでダクダク歩いて来たから体が熱い。汗をかいている。
エアコンのダイアルを「弱」から「強」にすると
ブーンという音とともに温風が吹き出して来た。

そうか、ここは北国。10月の初旬はセントラルヒーティングが稼働し始めていて
「強」に回したダイアルは冷房のためには機能しないものだったのだ。

部屋の窓を開ける。
湿っているが、ふんわりと冷めた空気が優しい。
時々雨に濡れた道路にクルマのタイヤが雨水を弾く音以外は聞こえてこない静かな夜。
日常の、ベット脇の犬が夜中ヒステリックに吠える音にびくりとしたり
ベットに飛び乗って来た猫に顔をなめられたりしないから
よく眠れそうだ。

「チューボーですよ」を見ながら
コンビニの酒をチビチビ、飲る予定だったのが
いつのまにか深く眠ってしまっていた。
気絶するように。

夢はなにも見なかった。
怖い夢も楽しい夢も。

肌寒いと感じて、恐らく午前3時頃。
窓を閉めに一度起き上がったのは少し覚えている。
しかしすぐにまた深く眠った。
午前7時頃、カーテンからこぼれる光で
再び目が覚めた。
まだ雨が降っている事を確認して
すぐに布団にくるまった。

………………………………………

しかし、まぁ、よく眠ったのだ、久しぶり。
その日の函館の温度、湿度。自身の体の疲れ、精神の開放感、等々の
諸要素が重なっての事だったのは間違いないのだが
いくらなんでも眠りすぎだ。高校生じゃあるまいしさ。

三度寝の末に時計を見たら10時少し前!
帰りの飛行機に乗る時間が12時45分だから、
函館で「ふんふん」出来る時間は実質2時間あるか、、ないか。

焦る。

仮にカシオペアに乗っていたら、
その時間帯すでに東京駅八重洲口で天玉そばを啜って居たであろう微妙な時間。

わたしゃ、なんのために飛行機にして、一泊だったか?
回転寿し体験のためだけではないだろう。
塩ラーメンのためでもないだろう。
いや、イクラもイカも目的だったし
写真展ものぞけたし、
眠れたし、
それで、もう満足でしょうと思えば、満足です。

しかし、「もうちっと函館観光」したかったす。
思いつきの旅のくせに欲張りだけど。

朦朧としながらも身支度をダッシュで済ませて
フロント氏に一言。
「10分後、こちらのレストランで朝食を頂いた10分後。
タクシーを呼んでおいてください。2時間後に空港に到着していたいので
その間、近場を走っていただけるタクシーをお願いします」

それだけ乱暴に伝えてレストランに駆け上がり
注文した「朝定食(和)」

fl1010221.jpg

あー、今見ても、危ない。

ご飯、最低2回はオカワリしたくなる、魅惑のラインナップ。


………………………………………


脂の乗った焼き鮭に卵焼き
朝からイカソーメン、海苔と納豆と梅干し…
「オカワリ」の四文字を封印して
フロントに降りると既に、
鮮やかなマリンブルーにペイントされた車体のタクシーが到着していた。
道南ハイヤー。

穏やかで優しそうな60歳前後であろうその小柄なドライバー氏は
傘をさし直立姿勢で、ワタシの食事が終わるのを待っておられたようだ。
こういうときに、猫背で目つき悪く煙草を吹かし貧乏揺すりをしながら
競馬新聞を読んでいるようなドライバーだと構えるが
この人ならば、事情を説明して、短い時間を有意義に過ごさせてくれるかもしれない。

ムライさんという、その運転手に
飛行機の時間まで僅かである事、
生憎の天気であるけれど写真を撮れるような場所があればありがたいという事、
五稜郭タワーにはぜひ昇りたい事…などを相談しながら
タクシーは、鉛色の坂道をゆっくりと走り出したのだ。

fl1010304.jpg

「今年は北海道も長い夏で、ここ数日涼しくなったと思ったらこの天気です。
普段ならあの船の辺りも箱館山もすっきりと見渡す事が出来るのですが…。
今日はあまり時間もない事ですしハリストス正教会や公会堂の周辺を少し走って
五稜郭を抜けて空港へ向かうルートをとらせていただきます。」

立待岬や箱館山のロープーウェイ、今回もお預けだが、この天気で寝坊をしたのだから仕方がない。

「新青森駅まで開通して、いよいよ函館、札幌まで新幹線で来れる時代になりますね」
と話を向けると、ムライさんは少し微笑んで
「どうなんでしょう?あと何年経って新幹線が通るかな…。
アレはアレで色々と課題がありますからね。」
昨夜回転寿しで暇つぶしに読んだタウン誌の「街」に書いてあった事を
知ったかぶって問いかけた。
「新幹線函館駅が現在の函館駅ではなく少し離れた所に出来てしまう事や
その後にJR北海道が在来線をどこまで維持するかという事ですか?」

「そうですね。在来線の問題もありますし、札幌まで新幹線が通り抜けてしまうと
函館は通過されて寂れるのではないかという人も居ますし…。実際に連絡船の時代とは
街の作りや人の流れが少しずつ変わってしまっている。
昔は、わたしが運転手をはじめた若い頃は、お子さん連れのご家族や
若い人のグループを乗せて、観光しがてら札幌まで走るなんて事も
ちょくちょくあったんですがねぇ。3人4人だとタクシーを借り切った方が楽だし
時間の無駄にならないからって。最近は不景気のせいもあるけど
サッパリそういう事はなくなりました。
『何日かかけて走れる所までお願いするよ』なんてお客さんもいたなぁ」

fl1010301.jpg

「札幌には行った事がないので判りませんが、港町の函館には独特の情緒がありますし
素通りという事はないんではないですかね」

「は、は。ありがとうございます。
昔ほどそういう長距離で観光というお客が少なくなり始める少し前にわたし
函館検定みたいなものを、少し勉強して受かりましてね。
まぁ長い間運転手をやってますから、そもそも知ってなくちゃいけない事を
試験したようなものですが、おかげで、流しだけでなく今日のお客さんのような
市内観光の仕事を回していただいているんで、なんとかやってますがね。」

昨日写真展をみた辺りを更に上った辺りを走っているようだったタクシーは
徐々に細くなる道に入ると速度を下げて、やがて停止した。

「この辺りで一旦止めましょう。
少し歩くとロシアの教会、カトリックの教会、浄土真宗のお寺と
三つ続く場所です。」

fl1010302.jpg

カメラをぶら下げながらゆっくり歩く間
ムライさんはワタシに傘をかざしてくれながら、
アソコがアレで、アレがナニだ、と解説する。
大した雨でもないから傘は結構ですよと、恐縮して断るのだが
「良いカメラが濡れるといけません」と言い決して傘をたたもうとしない。
確かに今日持って来た銀色のK7は派手なだけでなく良いカメラで
多少の雨にヘッチャラなように防滴処理がなされていて、
濡れてどこまで大丈夫か試したい気持ちもあったが
ムライさんの頑なプロ精神を断るはむしろ無礼であるから、
ありがたく甘える事にする。

坂の途中ムライさんは立ち止まり
「この細い道をまっすぐに下った所にクルマを先回りさせておきますので」
と、一旦クルマに戻って行った。

教会が開いているのだろう可愛らしい壁色をした幼稚園の建物。園庭の遊具。
今日は日曜日だから、当然ひとの気配はしないが
静かで緑が美しく空が広い。

東京のビルに囲まれた幼稚園、
或いは更にビルのワンフロアの園で過ごす子供時代と
こんな環境で過ごす子供時代をおくった人とでは
まったく別物の人間に育つのではないだろうか?などと考えながら歩いた。

マリンブルーの車体はすぐに見つかり、ムライさんは再び解説をしてくれる。
「あちらの方角に函館らしい和洋折衷の建物が並んでいる一角があります。
観光名所のひとつでもあります。」
たしかに木造の日本式一戸建てなのだが
壁のペンキの色や縦長の窓がなんとなく洋風の家が渋く並んでいる。



その先に、なにやら派手派手しい色の幟がはためいている家がある。
ひょっとすると?と思い、小走りに近づくと果たして

fl1010303.jpg

この夏、当地において、町並み環境条例がどうこうで
ちょっとしたトピックスになっていた「函館自由の女神」跡地であった。

確かに、このロケーションに、あのヘン顔の真っ白い女神は唐突だったろうな。
通天閣や秋葉原、新宿歌舞伎町に建っていたら
むしろ奥ゆかしい佇まいなのだろうが。

市から怒られて撤去された後
彼女はどこで過ごしているのだろう。
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